バンドーでは弘前市内に4カ所グループホームを設けており、今年度は総勢31名の生徒を受け入れ致しました。
バンドーでは1ユニット9名の入居者様が1つの家族のように過ごしていただいております。基本的な決まりごとはありますが、生活スタイルなど入居者様に沿うように努めておりますので各ホームそれぞれの特色があります。
グループホーム弘前には男女8名の生徒が来訪し、女子は昼食のカレーやサラダを作るお手伝いをしてもらいました。
お家でも時々料理の手伝いをしているとのことで、手際も良く、職員も安心して見守っておりました。カレーのイイ匂いがホーム内に広がり、いつもとはまた一味違う昼食を楽しみました。
身長の高い男子生徒には普段職員の手の届かない高い窓や入居者様の個室のエアーフィルターなどを掃除してもらいました。
とっても明るく「自分がやります」「大丈夫です」と積極的に行動してくれたのでとても頼もしく感じました。
ユニット1の午後はレクリエーションでかるた、バランスゲーム、紙積み木、輪投げなどをしました。
カルタでは入居者様と生徒がペアを組み、生徒の若さに引っ張られながら読み手も交代で頑張りました。
輪投げでは景品が肩もみだったようで孫に肩もみをしてもらってるみたいだ、と涙を流す入居者様もいました。
ユニット2の午後はレクリエーションでちぎり絵をみんなで楽しみました。
入居者様がやりやすいよう、何種類もの絵を用意してくれていました。また入所者様の為に、急きょ絵を書き足してくれるなど思いやりある行動も垣間見えました。生徒が帰った後も「可愛かった。いい子達だった」と飾ったちぎり絵をみながら思いだしております。
普段お年寄りと接する機会が少なく、最初は緊張すると話す生徒もいましたが、認知症で同じ話を何度もしたり、また質問したりと繰り返す方にも笑顔で接してくれました。
グループホーム弘前城北では男女6名の生徒が来訪してくれました。
城北では午後に昼寝をされる入居者様が多い為、午前中にレクリエーションを楽しんでもらいました。
様々な見本の折り紙を用意し、入居者様が好きな色を選んで教えてもらいながら一緒に作りました。
普段静かに過ごされている方が積極的に生徒と会話しながら作る姿は、環境が変化すると職員もわからない一面を引き出すことがあるのだなと考えされられました。
作り上げた折り紙に色鉛筆で絵をプラスしてみたり、リクエストで鶴を折ってくれたりと入居者様のペースに合わせた時間を過ごしました。
午後の休憩をはさみ、車イスの車輪の掃除や、実際に車イスに乗って体験するなど車イスレクチャーをしました。はじめて車イスを操作するという生徒もおり、「むずかしい」と話しておりましたが、体験したことで今後様々な場面で活かされることと思います。
普段使っている収納ケースなどの汚れをブラッシングしてきれいにしてくれました。水で靴が汚れてしまった生徒いましたが一生懸命磨く姿は頼もしく学校生活でも活躍されているのだろうなと想像しました。
レクリエーション第2弾では風船バレーを行い、真ん中に生徒が入り、風船が落ちないようにサポートしてもらいながらワイワイ楽しく盛り上がりました。
レクリエーションや掃除にも積極的で元気よく、生徒同士が仲良く行動する姿をみて、職員も楽しい1日だったと話していました。
グループホーム弘前公園では7名の男女が来訪してくださいました。
午前中は各ユニットを回って「恋ダンス」と今話題の「USA」をダンス披露してくれました。
陽気な音楽に入居者様もマネして踊りだす方もいました。
福祉の方では全員に足浴を体験してもらいました。ユニット2では3名の男子が交代で行いましたが、パパっと手際が良く入居者様も孫に洗ってもらっているみたいだと喜んでいました。早く洗ってほしいと入居者様が割り込まれないよう順番待ちをしている姿は普段にはない活気を感じました。
生徒からの質疑応答にも答えております。
Q 仕事をしていて一番大変なことはなんですか?
A グループホームでは家庭の生活が困難になった認知症のお年寄りが家庭的な環境の中で、介護職員と一緒に共同生活を送ります。認知症の症状は個々によって違います。意思疎通が難しい方もいますが、お一人おひとりのペースに合わせた対応のケアプランを考え、精神的に安定した生活を送っていただくことを常に考えて行動することです。
Q 介護の仕事をしていて一番やりがいを感じるのはどんな時ですか?
A スタッフの接し方等で認知症状が和らぎ、安定した生活を送ってもらっている時です。
午後には午前中に踊ってもらったダンスのアンコールがあり、男子3名が気持ちよく応じてくれました。普段は演歌を聞くことの多い入居者様ですが、目の前で行われるダンスに手拍子も力が入っているように感じました。
将来看護師になりたいと話す生徒は貴重な体験をすることができたと話していただき、普段お年寄りと接することのない生徒は、足を洗うという行為も初めてだが、喜ぶ姿をみてうれしくなりました。これから両親や祖父母への接し方で役立てて行きたいと話してくれました。
グループホーム弘前安原では10名の男女が来訪してくださり、ホームが一気に活気であふれました。
生徒たちの自己紹介から始まり、みんなでラジオ体操をして体と心をほぐしました。
午前中は入居者様と生徒に合わせた2チームで争うカルタやトランプ大会を行い、少しずつ交流が深まって会話ができるようになりました。
室内で過ごすことの多い入居者様の為に季節を感じてもらえるようホールの壁に飾りつけをお願いし、入居者様の意見を聞きながら秋の風景を飾ってもらいました。とてもセンスの良い壁飾りになったと思います。
ユニット2では男子生徒が入居者様から洗濯物のたたみ方を教えてもらい、タオルや衣類をたたんだようです。
また普段手の届かない高い場所の掃除などもしてもらいました。
女子の方々には昼食に合わせて食事の配膳を手伝ってもらい、食器の後片付けを行ってもらいました。
生徒たちの考えてきたレクリエーションはたくさんあって、ペットボトルを利用したボーリング、折り紙を重ねて高さを競ったり、バランスが必要な釣りゲーム、輪投げ、風船バレーとまるで運動会のようでした。
頑張った景品として入居者様の肩もみがプレゼントされ、うれしさで涙を流す方や手をつないでふれあいを深めたりする方など終始にぎやかで笑い声の絶えない一日となりました。
楽しい時間はあっという間で生徒の皆さんが帰った後は少しさびしい雰囲気になりました。
ぜひ安原方面を通った際は福祉体験のことを思い出し、気軽に遊びに来てください。
毎年、地域交流、地域密着を含め弘前第三中学校の福祉体験を受け入れしておりますが、今年度の生徒の皆さんは元気いっぱいでどのホームも楽しい時間を過ごすことができたようです。福祉としての体験内容としてはほんの一部分ではありますが、グループホームとはどういう施設なのか、どのような方が入居しているのかなど理解していただいたかと思います。皆さんのこれからの生活に少しでも役立つことを願っています。また来年度もお待ちしております。